グラスファイバー傘の安全な使い方と注意点

最近は、傘の骨に「グラスファイバー(ガラス繊維)」を使った商品が増えています。軽くてしなやか、折れにくいのが特徴で、強い風の日でも安心して使えるのが魅力です。

でも、もし骨が折れたりささくれたりすると、細かいガラス繊維が出て思わぬけがの原因になることがあります。大切なお子さまやご自身を守るために、正しい使い方を知っておきましょう。

国民生活センターからの注意

国民生活センターには、グラスファイバー製の傘や園芸用品で「けがをした」「けがをするおそれがあった」という相談が寄せられています。過去5年間では、傘に関する相談が8件と最も多く、手指に刺さったり切れたりした事例が目立ちます。

実際の相談例

  • 子どもが傘でけが
     通りすがりに傘がぶつかり、親骨が折れて細かい繊維が手に刺さった。
  • 使用中に手に痛み
     購入して数年経った傘をさしたところ、持ち手付近で手に痛み。骨を確認したらグラスファイバー製で、細かい繊維が出ていた。

グラスファイバー傘の良いところ

  • 軽くて丈夫:金属骨よりも軽く、風でしなって折れにくい。
  • サビにくい:湿気の多い日でも錆びずに清潔。
  • 長く使える:正しく使えば数年は使えます。

注意したいポイント

  • 破損時は危険:骨が折れると細かいガラス繊維が飛び出し、けがの原因に。
  • 修理は難しい:一度折れた部分は元に戻すのが難しいので、安全のため買い替えがおすすめです。
  • 子どもに使わせるときは注意:小学生以下の子どもがけがをするケースが多いため、管理が大切です。

破損したときの応急処置と廃棄

  • 骨の露出部分には絶対に素手で触らない
  • 破損部分をビニールテープで覆い、繊維が飛び散らないようにする。
  • 廃棄するときは、手袋をして自治体の指示に従い「燃えないごみ」や「危険ごみ」に。
  • お子さまやペットが触れないように注意。

安全に使うための4つのポイント

  1. 骨は素手で触らない
     ささくれていることがあるので、むやみに触らないようにしましょう。
  2. 開閉や持ち運びは生地やハンドルを持つ
     傘を開いたり閉じたりする時は、骨ではなく傘の先端や生地、ハンドルを持つのが安全です。
  3. 骨が折れたりささくれたら使用中止
     ガラス繊維が露出しているかもしれません。使わず、安全に処分しましょう。
  4. 購入時に品質表示を確認する習慣を
     下げ札やパッケージ、ハンドルのシールなどで材質や注意表示を確認することは、グラスファイバーに限らず基本的な取り扱い上の注意を守るために大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. グラスファイバー傘は安全ですか?
正しく使えば安心ですが、骨が折れたり欠けたりした場合は危険です。使う前に状態をチェックしましょう。

Q2. 子ども用として選んでもいいですか?
軽くて扱いやすいですが、取り扱いの際には保護者の方から十分にご注意ください。破損した傘は使わせないことが大切です。

Q3. 修理できますか?
一般的な方法では修復が難しいため、破損したら買い替えをおすすめします。

まとめ

グラスファイバー傘は軽くて丈夫というメリットがありますが、破損時には危険が伴います。日頃から傘の状態を確認し、破損を見つけたら素手で触らず、安全に処分しましょう。大切なお子さまやご自身の安全を守るために、日常のちょっとした注意が重要です。

参考:国民生活センター「グラスファイバーを使用した製品の取扱いに注意 ―傘の骨や園芸用品などでけがをするおそれ―」(2025年9月17日公表)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250917_2.html