傘と言えば、アンブレラ。

アンブレラは、英語のumbrellaからの外来語ですが、
日本語でも、すっかりお馴染の言葉です。

umbrellaは「陰」を意味するラテン語「umbra」がイタリア語に変化した単語で、
「日よけ」「日陰」を意味するイタリア語から英語に伝わりました。

アンブレラ、つまり洋傘は、雨用ではなく日傘として用いられたため、「陰」が
語源となっているようです。

アンブレラとよく比較されるものに、パラソルという言葉があります。

パラソルは、英語のparasolからきています。
イタリア語で「守る」という意味の「parare」と太陽を意味する「sole」が
結びついたものです。

パラシュートの「パラ」も、シュート(落下)から身を守るものという意味で、
パラソルの「パラ」と同じなんですよ。

パラソルは「太陽から身を守る」
つまり、日よけ用の傘という意味ですね。

現代では、雨傘をアンブレラ、日傘をパラソルと呼んで
区別していますが、語源上はどちらも日傘の意味からスタートしました。

1800年前後から、雨傘と日傘が分けて認識されるようになり、
パラソルはファッションとしての側面が強くなってきます。

その名残からか、現代でもパラソルは女性が使うもの
というイメージが強いようですが、
最近では、男性も日傘を持つ時代になってきました。

かつて、英国紳士ジョナス・ハンウェイが、雨の日にアンブレラをさしたところ
女性のすることだと人々の嘲笑の対象となったことがありましたが、
今では、アンブレラは英国紳士の代名詞となっています。

パラソルが、日本男児の代名詞となる日も、そう遠くないかもしれません。