形状記憶という言葉は、医療や工業分野で使われてきた技術として知られていますが、近年では衣類や日用品など、私たちの暮らしに身近な製品にも広がりつつあります。

傘の分野でもその考え方が取り入れられ始めており、特に折りたたみ傘の使いにくさを軽減する工夫として注目されています。

形状記憶とは?

形状記憶とは、素材そのもの、または素材に施された加工によって、あらかじめ与えられた形に戻りやすくする仕組みのことを指します。
力が加わって一時的に形が変わっても、特定の形に戻ろうとする性質を持たせる点が特徴です。

形状記憶生地が元の形に戻りやすい理由

傘に使われる形状記憶加工では、折りたたみ時のガイドとなる折り目を生地に与えるという考え方が採用されています。
この折り目が取れにくいため、使用後も畳む位置が分かりやすく、自然と折りたたみやすくなります。

なお、この加工はシワそのものを防ぐことを目的としたものではありません。
あくまで、折り目を整えやすくすることで、畳む動作をサポートする加工です。

傘の生地に形状記憶が使われる理由

折りたたみ傘は、使うたびに生地がばらつきやすく、畳みにくさを感じやすいアイテムです。
形状記憶の考え方は、こうした日常的な使いにくさを軽減する目的で取り入れられています。

 

折りたたみ傘で畳みやすさを感じやすい仕組み

形状記憶加工によって折り目の位置が分かりやすくなるため、生地が無秩序に折れ重なるのを防ぎやすくなります。

ただし、シワが一切できなくなるわけではありません。
折り目が揃いやすくなることで、結果として見た目が整いやすく感じられる、という位置づけになります。

一般的な傘生地と形状記憶生地の違い

一般的な傘生地では、使用や乾燥を繰り返す中で折り目が乱れやすくなります。
一方、形状記憶生地の場合は、折りたたむためのガイドが残りやすいため、畳む際の迷いが少なくなる点が特徴です。

たたみやすい傘には複数の仕組みがある

「たたみやすい傘」としては、他社で展開されている裏面にシートを張り付けた構造のシリーズも人気があります。
このタイプは、傘の内側にシートを設けることで、生地がシワになりにくく、折り目が揃いやすい構造です。

一方で、形状記憶加工は裏面にシートを貼る構造ではありません。
生地そのものに折り目のガイドを与え、畳みやすさをサポートする点が大きな違いです。

同じ「たたみやすさ」でも、

  • 構造によってシワを抑える方法
  • 生地の加工によって折り目を整えやすくする方法

といった異なるアプローチがあることを知っておくと、傘選びがしやすくなります。

形状記憶生地が向いている傘のタイプ

形状記憶生地は、すべての傘に同じ効果をもたらすわけではありません。
特に、使用頻度が高く、日常的に折りたたむ傘と相性が良いとされています。

折りたたみ傘との相性が良い理由

折りたたみ傘は、開閉と収納を繰り返すため、生地への負担が大きくなりがちです。
形状記憶加工は、その使用環境を前提に、畳む動作を補助する役割を果たします。

持ち運びや使用後に感じやすい使いやすさ

バッグにしまう前に折り目を探す手間が減ることで、日々の使い勝手に違いが生まれます。

形状記憶生地を選ぶ前に知っておきたい注意点

完全にシワが消えるわけではない

形状記憶加工は、シワ防止加工ではありません。
シワができにくいと感じる場合でも、それは折り目が整いやすいことによる印象の違いです。

使用頻度や保管方法が生地に与える影響

濡れたままの放置や強い圧迫は、生地の状態に影響を与えます。
使用後はしっかり乾燥させることが大切です。

傘以外の日用品に使われる形状記憶の例

  • 衣類
  • インテリアや生活雑貨

形状記憶と形態安定の違い

  • 形状記憶:折り目が戻りやすい仕組みを持つ加工
  • 形態安定:形が崩れにくい状態を保つ加工

形状記憶生地の傘が選ばれる背景

日常使いで実感しやすい畳みやすさ

弊社でも今シーズンより、裏面シート構造ではなく、折り目をガイドする形状記憶加工を施した傘を展開しています。
畳みやすさを重視したい方から、注目が高まりつつあります。

まとめ

形状記憶加工は、折りたたみ傘を畳みやすくするための工夫の一つです。
シワを防ぐ加工とは異なる点を理解したうえで、自分の使い方に合った傘を選ぶことが大切です。