わたしたちが雨の日にさす傘の構造、ご存じでしょうか?

みなさんが何気なく手にしている傘は、
「傘の生地」「傘の生地を支える骨」「持ち手」
という3つの部分から構成されています。

傘の生地の部分は、「カバー」と呼ばれています。

カバーは、8本骨の傘であれば8枚、
16本骨の傘であれば16枚の布を縫い合わせたものです。

一枚一枚の型は、二等辺三角形に膨らみを持たせた形状で、
この膨らみが、傘の美しいカーブの秘密です。
生地の型どりをどうするかで、傘の形が決まりますから、
職人の腕の見せ所です。

そしてこの生地に、はっすい、耐水、紫外線防止など
機能的加工を施すことで、カバーとなるのです。

傘の骨は、さらに「中棒」「親骨」「受骨」に分けられます。

傘の中心にある「中棒」は、傘にとってはまさに心棒。
まっすぐで、かつ丈夫であることが大事ですから、
木材、スチール、アルミなどが使われています。

軽くて強い素材であることが求められ、
近年、チタンやカーボン素材が用いられるようになってきています。

親骨は、直接カバーを支えている長い骨で、
カバーを均等に張り出すしなやかさが求められます。

受骨は、親骨を支える短い支持骨のこと。
親骨の途中にある接合部分に通じています。

親骨と受骨の接合部分を、「ダボ」と言います。

骨と骨を接合している部分ですから、最も負荷がかかります。
傘骨が折れたり、変形したりするのは、このダボの付近が
多いのもこのためです。

傘の持ち手の正式名称は、「手元(てもと)」と言います。
英語でハンドルとも呼んでいます。

手元は、傘を開いているときはもちろん、閉じているときにも
目立ちます。まさに傘の顔とも呼ばれる部分です。
また、直接手に触れる部分でもありますから、
傘にこだわる人の間では、最も趣向が凝らされる部分です。

金属、合成樹脂、桜や楓などの木材、竹、籐、象牙など、
多種多様な材質に、彫刻や螺鈿などの華やかな装飾が施されることもあります。